石川県輪島市の世界農業遺産「千枚田」です。地震からの復興半ばを襲った今回の豪雨。今後、どうなるのでしょうか。

■能登豪雨 輪島市で女性の遺体…不明者か

 25日朝、捜索現場で女性の遺体が見つかりました。豪雨に巻き込まれたとみられます。

男性
「まだ確認もできていないんですけど」

 現場に、女性の夫だと話す男性が駆け付けました。避難する前に、男性が車を高台に動かしている間に、妻が残る家が流されたといいます。

男性
「朗らかで、元気で、子ども、孫思いでしたね」
「(Q.かけたい言葉は)ありがとうですね」

 石川県能登半島を襲った豪雨で、これまで確認されている死亡者は9人。今も安否が分からない住民は6人です。

 甚大な被害を出した能登半島地震から9カ月近く。復興半ばの住民たちに、また困難が襲いました。

■復興半ば「千枚田」で地滑り 修復は

 輪島市の1004枚の小さな田が連なる人気の観光地「白米千枚田」。日本農業の原風景と言われ、「国指定文化財名勝」にも指定されています。

 今回、地滑りが発生するなど大きな被害を受けました。

 山からの土で、千枚田の上半分が埋まってしまいました。以前は、緑あふれる美しい棚田が山の斜面に広がっていました。被害は広範囲に及んだのです。

 田んぼに行く道も、石が散乱した状態。25日、「白米千枚田愛耕会」のメンバーが復旧に向け、石の撤去を行いました。

白米千枚田愛耕会 白尾友一会長(60)
「濁流が橋を越えてこっちに流れ込むような」
「(Q.こっちに川ができるような)そうそう」

 雨は水路からあふれ、田んぼに流れ込んだといいます。

 田んぼの縁の部分「あぜ」が崩れてしまった田んぼは、以前はしっかりとした「あぜ」で、段々としていました。しかし、「あぜ」が崩れてしまっては水をためられないといいます。

 白米千枚田は元日の能登地震でも、地面がひび割れるなどの被害を受けました。

 しかし、地元の人たちは諦めませんでした。白米千枚田愛耕会を中心に、土を取り除き、あぜを作り、一歩一歩、棚田を元の姿に戻していったのです。

 そして、今月上旬には稲刈りを終えるまでになっていたのです。

白米千枚田愛耕会 白尾友一会長
「(Q.全部を元通りにするまではどのぐらいの時間がかかる?)この豪雨前でしたら3年ぐらいで何とかなるんじゃないかなって皆と話してたんですけど…分かりません」

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