茨城県石岡市で産業廃棄物が山積みになっている問題。崩落する危険があるため、24日から“行政代執行”による強制撤去が始まりました。
うず高く積みあげられた廃棄物の総量は、1万2000立方メートルに上ります。大半はプラスチックですが、金属製のものも多く目につきます。
その重さに耐えきれないのか、県道に面したフェンスは大きく傾き、いまにも倒れてきそうなほどとなっています。
近隣住民
「子どもも通ります。通学路になっていて、中学生が通るので、非常に危ない状況ですね」
なぜ、このような事態になってしまったのか。
市などによりますと、ことの始まりは4年前、千葉市のある業者が、廃プラスチックを運び入れ始めました。「これをリサイクルし、海外に売る」と説明していたそうです。
茨城県廃棄物規制課不法投棄対策室・高島茂之室長
「その後、そういったリサイクルの様子もないということで、こちらで産業廃棄物と規定して、指導を始めたところでした」
県は、「産業廃棄物の不適正な保管」とし、1年以内にすべてを撤去するよう、措置命令を業者に出しましたが、撤去されたのは2割程度でした。そのため、24日、県が動きました。茨城県による行政代執行です。5カ月かけて、すべての廃棄物を撤去することになります。かかる費用は3億3000万円。県による産廃撤去の行政代執行における最高額だといいます。公益財団法人の支援がありますが、県の負担は1億円に上ります。
撤去に税金が投じられることをどう思うのか。
業者に取材を試みましたが、電話は通じません。業者の所在地にも行ってみましたが、応答はありませんでした。
県は業者に対し、撤去費用の全額を請求するとしています。
茨城県廃棄物規制課不法投棄対策室・高島茂之室長
「3億3000万円全額を捨てた行為者に求償していきます。“捨て得”は絶対に許さない。こういう姿勢を強く持って、厳しく求償してきたいと考えています」
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