ろうそくを手に、深圳で亡くなった男子児童に黙とうをささげる参加者=東京都新宿区で2024年9月19日、畠山哲郎撮影

 中国南部の広東省深圳市で日本人学校に登校中の男子児童(10)が刃物で刺され死亡した事件で、亡くなった男児を追悼する会が19日夜、東京都新宿区で開かれた。事件に衝撃を受けた日本に住む中国人有志が急きょ、呼びかけた。集まった約50人の在日中国人らがろうそくを手に黙とうをささげ、互いに思いを語り合った。

 都内で旅行会社を経営する中国人女性(52)は「(男児の)母親の気持ちを考えると涙が止まらない。申し訳ない気分だ。どうしてこういう事件が起きてしまったのか」と語った。女性は10年前に子どもを連れて来日したという。

 都内で自分の会社を経営している中国人男性(25)は参加者全員に向かって「今回の事件は日本で生活する中国人として非常に残念でつらい。日本人学校に対する暴力事件は今年、2度目だ。外国人を尊重しない教育をしているからではないか」と訴え、目に涙を浮かべた。

 会場となったビルの一室には献花台が設けられ、参加者が次々と花をたむけた。

 事件は18日午前に発生。学校から約200メートル離れた路上で、親と一緒に歩いて登校中だった日本国籍の児童が刃物を持った男性に襲われ、19日に死亡した。警察関係者が44歳の男性を容疑者として拘束したものの、警察当局は詳しい状況や動機について明らかにしていない。【畠山哲郎】

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