新幹線の連結部分が走行中に外れる前代未聞のトラブル。一体、何が起きたのか専門家に聞きました。
■東北新幹線 走行中に“連結分離”何が
東北と東京を結ぶ大動脈で前代未聞の事態です。
上りに緑の車体の「はやぶさ」が10両。そして、その数百メートル後方に赤い車体の「こまち」が7両止まっています。上りだけでなく、下りの線路にも新幹線が止まっています。
東北新幹線の車両でトラブルが起きたのは19日午前8時すぎのこと。宮城県内を走行していた東北新幹線の車両の連結部分が外れました。
アナウンス
「車両故障が発生しております。現在、状況を確認しております。JR社員におかれましては、おられましたら車掌までお申し出下さい」
はやぶさの乗客
「よくよく考えたら外れるって危ない。すごく大きなことだよなと」
本来、この路線は盛岡駅で待機していた「はやぶさ」に秋田を出発した「こまち」が合流。盛岡駅で連結され、東京を目指す予定でした。
今回は盛岡駅で連結。そして、宮城県の古川駅を過ぎた辺りで連結が外れ、後ろを走る「こまち」が切り離されてしまいました。
走行中に連結が外れるという前代未聞のトラブル。乗客約320人が乗っていました。
以前、盛岡駅で連結する様子を乗客が撮った映像。ゆっくりと「こまち」が前の連結部分を開け、はやぶさに連結されます。
はやぶさの乗客
「そこ(盛岡駅)で連結・分離される。観光ではないけど毎回、降りて見る人がたくさんいる」
トラブルが起きた直後に下り車線から乗客が撮った写真。連結部分に突起のようなものが見えます。この凹凸を前後の新幹線でかみ合わせることで連結します。
そして、前の新幹線が牽引(けんいん)する形で走ります。
鉄道アナリスト 川島令三氏
「システム上か人為的か。もしくは連結した時のロックが
しっかりしていなかったか。人為的というのは考えにくいので、何かのシステムエラーがあった。しばらく走っていたけど、何らかでロックが外れてしまった」
前方の「はやぶさ」の乗客は外れた瞬間のことを、こう振り返ります。
前方に乗っていたはやぶさの乗客
「(Q.衝撃は?)全くない。静かに駅に入った感じ。すーっと停車した」
後方の「こまち」に乗っていた乗客はどうだったのでしょうか。
後方に乗っていたこまちの乗客
「(Q.衝撃は?)そんなになかった。何で止まったのかなと」
「子どもが『降りる』と泣いていた」
なぜ、切り離されても止まることができたのでしょうか…。
鉄道アナリスト 川島令三氏
「ほとんどの車両は動力付き。(分離が)あり得ることを想定し、外れたらすぐ止まるようできている。非常ブレーキで止まるので安全性は確保されている。多分『こまち』の方がブレーキ力が強いので、先に止まって離れていったということ」
アナウンス
「すべての安全確認が整いましたので、運転を再開しました」
正午前、前方の「はやぶさ」は自走して仙台駅へ。その後、「こまち」も仙台駅で乗客を降ろしました。
東北新幹線は午後1時すぎに全線で運転を再開。乗客にけがや体調不良などはなかったそうです。
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