福岡県弁護士会=福岡市中央区で、吉川雄策撮影

 依頼された訴訟を提起していないのに判決文を偽造して渡したり、成年後見人として預かっていた資金など計170万円超を横領したりしたとして福岡県弁護士会は19日、所属する竹内佑記弁護士(34)=有印公文書偽造・同行使の疑いで4日に逮捕=を退会の懲戒処分にしたと発表した。18日付。

 県弁護士会によると、2022年3月、地上権設定登記抹消登記手続請求訴訟の依頼を受任。実際は訴訟を起こしていないのに実在する裁判官の署名などを利用して22年12月16日付の虚偽の判決文を作成し、23年5月に関係者に渡したとされる。

 その他、23年4月ごろまでに、成年後見人として預かった資金など計約177万円を横領したほか、成年後見人の妻に借金があったのに相続放棄の手続きをしなかったため、約106万円の損害を与えたとしている。

 借金が少なくとも140万円程度あり、横領した資金はこの返済などに充てていたという。横領した資金については全額弁済したとみられるという。【志村一也】

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