原子力規制委員会の新委員に、山岡耕春(こうしゅん)・名古屋大名誉教授(地震・火山学)、長崎晋也・カナダ・マクマスター大元教授(原子力工学)が19日付で就任した。山岡氏は地震や津波の審査、長崎氏は核燃料施設などの審査を担う。
2人はこの日、規制委で記者会見した。山岡氏は、能登半島地震や東日本大震災について「多くのセグメント(活断層が活動する最小単位)が連動して規模が大きくなった。徐々に経験としてわかってきた知見を審査で使っていきたい」と述べた。
8月に初めて発表された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)では、防災対策を進める地域に4原発が立地していた。山岡氏は「取り立てて新しいことをするのではなく、プラント(原発)の方々が心構えすることが必要。普段の備えを確認してほしい」と求めた。
長崎氏は、核燃料施設の審査が長期化している課題を問われ「安全について十分議論するプロセスが変わることはあり得ない。(期限を決めて審査するのは)国民からの負託に応えていない」と断じた。【木許はるみ】
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