兵庫県の斎藤元彦知事(46)がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会は9月定例会開会日の19日、補正予算案を審議し、成立後に知事に対する不信任決議案を提出する。採決は夜になる見通しで、全会一致での可決が確実な情勢だ。斎藤知事は辞職・失職か議会解散の選択を迫られる。
県議会は12日までに自民党、維新の会、公明党、ひょうご県民連合、共産党の5会派と無所属議員の計86人全員が知事に辞職要求したが、知事はこれを拒否。不信任案は全会派と無所属議員4人が共同で提出する。
不信任案は「県民の信頼を損ない、県職員を動揺させ、議会を巻き込み、県政に長期にわたる深刻な停滞と混乱をもたらした政治的責任は免れない」との内容で、来年度予算は新たな知事の下で編成すべきだとしている。最大会派の自民が提案理由を説明し、賛成討論を経て記名投票で採決する。
不信任案の可決は議員3分の2以上が出席し、4分の3以上が賛成する必要がある。定数86の県議会は全員が出席すれば65人以上の賛成で可決となるが、全会一致で可決される見込みだ。その場合、知事は通知から10日以内に議会を解散しなければ失職する。
斎藤知事は18日午後、報道陣に「まずは県民の皆さんの暮らしを支える補正予算案を成立させることが大事で、4年間の任期の中で県政を進めることが私の責任の果たし方だ」と続投する意向を示した。議会解散の可能性も否定しなかった。議会を解散すれば、40日以内に県議選が実施される。【中尾卓英、村上正、大野航太郎】
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