警視庁=米田堅持撮影

 貸金業者の登録を受けずに独立行政法人「福祉医療機構(WAM)」からの新型コロナウイルス対策の融資を仲介したとして、警視庁捜査2課は18日、元WAM理事で会社役員、三浦由博容疑者(67)=東京都品川区=ら男性3人を貸金業法違反(無登録営業)の疑いで逮捕した。

 警視庁によると、三浦容疑者らは2020年3月からの1年8カ月で、医療法人や社会福祉法人など約40法人に対する64億円超の融資を仲介し、5億円近い手数料を受け取っていたとみられる。WAMの融資は、国からの補助金が原資の一部になっている。

 他に逮捕されたのは、医療コンサルティング会社「ヘルスケア基盤整備機構」(大阪市)代表取締役の北村隆史(62)=大阪市西区、同社監査役の北村健次(39)=大阪市中央区=の両容疑者。

 逮捕容疑は20年3~8月に共謀して、都内の医療法人など5法人にWAMの新型コロナ対策融資を受けるよう勧誘。ヘルスケア社が貸し付けの申込書類を代理で作成するなどして計約10億円の融資を受けさせ、無登録で貸金業を営んだとしている。警視庁は3人の認否を明らかにしていない。

 警視庁によると、ヘルスケア社は三浦容疑者が実質的に設立。ヘルスケア社は「WAMとのパイプがある。うちを介せば審査の優先順位が上がり、確実に融資を受けられる」と医療法人などに勧誘していた。

 法人側が融資を希望すると、三浦容疑者がWAMの元部下に連絡を入れ、融資するよう働きかけていたという。

 三浦容疑者らは仲介手数料として融資額の1割ほどを受け取り、生活費などに使っていたとみられる。三浦容疑者は17年10月~19年9月にWAMの理事を務め、過去にはみずほ銀行の理事にも就いていた。【遠藤龍】

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