公害健康被害補償法(公健法)に基づく水俣病認定を熊本県に求め、同県水俣市出身で同県宇城市の大戸迫(おおとさこ)智さん(59)が18日、熊本地裁に提訴した。
訴状などによると、大戸迫さんは原因企業チッソ(東京)による不知火海への水銀排出が続いていた1965年に水俣市で生まれた。水俣病の代表的な症状とされる感覚障害のほか運動障害などの症状があるという。
75年に水俣病認定を熊本県に申請したが、95年に棄却。その後、水俣病医療に詳しい故原田正純医師により2006年に胎児性水俣病の疑いと診断されたのをきっかけに07年、再び認定を申請したが、15年に棄却となった。
亡くなった大戸迫さんの父母らは09年施行の水俣病被害者救済特別措置法(特措法)による救済などに応じたが、大戸迫さんはあくまで認定を求めた。報道陣の取材に現在の症状などを訴え「(裁判所には)自分の体のことを見てほしい。水俣病と認めてほしい」と話した。【西貴晴】
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