千葉県木更津市と神奈川県川崎市を結ぶ東京湾アクアライン(全長15・1キロ)で、時間帯に応じて通行料金が変動する社会実験が始まってから1年が経過したことを受け、千葉県は8月、混雑の緩和に一定の効果があったものの、導入当初よりも通過時間の短縮などの効果が減少しているとの分析結果をまとめた。
社会実験は昨年7月下旬に始まり、川崎市方面に向かう上り線で土日・祝日に実施されており、2025年3月末まで続く。自動料金収受システム(ETC)搭載の普通車の料金が混雑時間帯の午後1時~同8時は1200円で、午後8時~午前0時は600円、その他の時間帯は800円としている。
県によると、料金を値上げしている時間帯(午後1時~同8時)の交通量が抑えられ、前後の時間帯に分散している傾向がみられるという。渋滞による最大損失時間が土日とも約16%減少したほか、上り線の事故件数が前年比で20%減少し、県内をアクアラインで訪れた観光客の滞在時間も増加した。
一方で、社会実験を開始した直後と比較すると交通量の分散の度合いは小さくなり、上り線の最大通過時間も増加傾向にある。県道路計画課は「地域経済活動への影響を考慮しつつ、交通需要の平準化を目指すため、引き続き効果的なアクアラインの料金体系について検討していきたい」と話している。【松尾知典】
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