市街地、商店街、温泉街といった「街」がないとされる千葉県白子町。そんな町の「地域活性化はどうすればいいのか」との切実な問いかけに対し、東京大生が13日、観光促進策を軸とする提言をした。自然や名所、農業に着目し、「街はなくても魅力はある」と活用を訴えた。
学生は、地域課題の解決に取り組む東大の体験活動プログラムに参加する4人。11日から2泊3日で同町に滞在し、海岸から内陸、観光施設、学校などを自転車で巡るフィールドワーク(現地調査)を行った。
同町は鉄道駅がなく、国道も通っておらず、スーパーも撤退。「九十九里浜とテニスと温泉の町」として発展し、観光客数は2016年にピークの96万5000人に達したが、その後は減少。23年は前年比5割増の33万人余に戻ったものの、新型コロナ禍前の19年(64万人余)の半分程度。町観光振興プラン(24~27年度)を策定し、60万人回復を目指している。その一環として今回、東大の学生にも助言を求めた。
この日は、法学部3年の前田直毅さん(21)が先進的なスマート農業と食育の高まり、都心への近さに着目し「農業体験の町」を提案。教養学部2年の村川悠さん(20)は「海岸の開放感から内陸部の田園風景へ変化を楽しめる」として「レンタサイクルを使った魅力再発見」を打ち出した。また、薬学部4年の東海林冬馬さん(21)は「運動と謎解きと町巡り」のテーマで白子神社のPRや南白亀川でのボート導入を促した。
石井和芳町長は「外部の若者の発想は、貴重で大変ありがたい。一つずつ検証して施策に生かしたい」と話した。【高橋秀郎】
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