栃木県那須町の河川敷で2人の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された男性の車のトランクなどから見つかった血痕が、死亡した女性のDNA型と一致したことが、捜査関係者への取材で判明した。男性は事件前に購入したガソリンなどについて「遺体を処分するために使うと知っていた」という趣旨の供述をしており、警視庁と県警の合同捜査本部は経緯を調べている。
血痕が見つかったのは、逮捕された建設業の平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)=埼玉県越谷市=が所有する黒色のセダン型の乗用車。トランクや後部座席のシートに血痕が付着していた。
事件では、会社役員の宝島龍太郎さん(55)=東京都千代田区=と、妻とみられる女性の遺体が見つかっているが、鑑定により、女性のDNA型と一致した。後部座席の足元からはバッグに入った妻の運転免許証のほか、粘着テープ、結束バンドが見つかった。捜査本部は暴行を受けた2人が、この車に乗せられて栃木県まで移動したとみている。
平山容疑者のセダンは遺体が見つかった16日の早朝に、現場付近を走行していた車と特徴が似ており、捜査本部が押収して調べていた。2人の遺体はともに頭から袋がかぶせられ、その上から粘着テープが巻かれて手が縛られていた。
平山容疑者は事件前に、ガソリンや携行缶、粘着テープ、結束バンドを購入。「人に指示されて購入した。その人の名前は言えない」と供述しているという。捜査本部は、車内から見つかった結束バンドと粘着テープが、事件に使われたものと同じか調べている。
平山容疑者は「車は貸しただけ。栃木には行っていない」としており、事件前に会った人物からは、「(遺体を)焼くのは誰も来ないような遠くがいいだろう」と聞いていたと話しているという。
捜査本部は、事件に複数の人物が関わったとみており、2人が死亡した経緯についても調べている。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】
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