和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人などの罪に問われている元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の第2回公判が13日、和歌山地裁であった。被告の友人の供述調書の内容や無料通信アプリ「LINE(ライン)」でのやり取りが示され、友人が「早貴から、結婚した理由は野崎さんの財産が目的だったという趣旨の話を聞いたことがあった」と証言していたことが判明した。
公判で、検察側は被告が高校時代の友人に「(野崎さんから)きょうだいに遺産を渡したくなくて君にもらってほしいと言われた」などとするメッセージを提示。別の友人らに対し「(野崎さんが)死にたい、死にたいと言っていたから、自殺か事故だと思うけどね」と説明していたことも明らかにした。
被告が事件後、友人らに警察の捜査や記者の取材に協力しないようくぎを刺したり、SNS上の写真を消すよう求めたりしていた証拠も示した。
また、証人尋問では、事件当日、現場に駆けつけた当時の田辺署員2人が出廷。野崎さんの死亡当時の状況や捜査の概要を説明した。
起訴状によると、被告は2018年5月24日、野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で死亡させたとされる。被告は無罪を主張している。
次回公判は17日。【藤木俊治、安西李姫】
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