2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は13日、会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)への主要輸送手段となるJR桜島駅発着のシャトルバス運転手について、9月末までに不足分を確保できるめどが立ったと明らかにした。必要な180人中100人が不足し、あっせん事業者を通じて全国の貸し切りバス事業者に募集をかけていた。
夢洲までの陸路は橋とトンネル1本ずつに限られ、島内に乗り入れる鉄道は地下鉄大阪メトロ中央線だけ。協会は中央線への負荷を減らすため、会場周辺や主要駅からシャトルバスを出して来場者を分散させる計画だ。JRでは会場最寄りとなる桜島駅発着のシャトルバスは、シャトルバス路線では輸送人数が最多。乗車予約が不要で、1時間当たり最大70便を運行し、計4000人を運ぶ想定となっている。
13日は、同路線の一部運行を担う大阪シティバス(大阪市)と、運転手20人を同社に出向させる両備ホールディングス(HD)=岡山市=が合意書に調印した。両備HDの大上真司常務は「大阪でもバス事業を展開してきたので恩返しの一つ。万博に来場する人を日本全体でしっかりおもてなししたい」と期待を込めた。
協会によると、両備HDを含む約40社から計109人があっせん事業者を通して確保される見通し。それに加え、この路線を担う運行事業者7社が独自に計72人を確保。人件費や出向元の営業補償などの経費は、運賃収入を差し引いて協会が負担するという。
一方、他のシャトルバス路線の運行ダイヤや料金は今後発表されることになっている。運転手の確保や採算面の問題から、協会が求める輸送人員をクリアできるかはいまだに不透明だ。【戸田紗友莉】
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