愛知県半田市で2022年9月に市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、外部の有識者で構成された第三者調査委員会の初会合が13日夜、開かれた。自殺に至った背景を探るため市教育委員会が設置した。遺族は「話し合いのテーブルを作ることができたのは第一歩」と調査への思いを語った。
関係者によると、学校が自殺直後に行った基本的な調査で「原因は見当たらなかった」「いじめはなかった」とされ、文部科学省の指針で「望ましい」とされる詳細な調査はこれまで実施されていない。調査委は市教委が遺族の要望を受けて設置に至った経緯があり、死を選んだ過程や自殺に追い込まれた心理を解明することで再発防止に生かすことを目的としている。
初会合では、弁護士や心理職など6人が委員に委嘱され、学校が行った調査内容の報告などがあった。冒頭には遺族も参加し、意見を述べた。
意見陳述後、取材に応じた母親(43)は「日常生活を普通に送っているように見えた子どもでも、実際には追い詰められていた。このことを見つめ直し、再発防止に役立ててほしい」と話した。
調査委は今後、複数回開かれる予定で、報告書をまとめて市に答申する。【町田結子】
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