運転士不足に悩む千葉県のローカル鉄道「銚子電鉄」だが、今月から「乗り鉄」だった男性が運転士としてデビューした。さらに、竹本勝紀社長の悲願もかなった。
■鉄道模型店から運転士に なぜ?
ローカル鉄道 銚子電鉄 この記事の写真千葉県のローカル鉄道、銚子電鉄。12日、その本社を訪れた。
銚子電鉄 竹本社長「ご無沙汰しております」
「(Q.新たな運転士が誕生されたということで…)はい、では呼んでまいりましょう。佐田く〜ん」 銚子電鉄 運転士
佐田裕哉さん(29)
「こんにちは、はじめまして、佐田と申します。よろしくお願いいたします」
佐田さんは今月1日、銚子電鉄の運転士になった。大阪にある鉄道模型店で働いていたというのだが、一体なぜ、銚子電鉄に?
銚子電鉄 運転士 佐田裕哉さん 佐田さん「鉄道模型の会社にいた時に、銚子電鉄を応援されている人と取引していて。ちょうどここの募集出た時に紹介していただいた」
去年9月銚子電鉄の社員になり、今年6月には運転士の免許を取得。その後に研修期間を経て、今月に運転士となった。
佐田さん(当時3歳)福岡県生まれの佐田さんは、幼いころから鉄道に興味をもち、全国の鉄道路線を訪れている。
佐田さん「(Q.佐田さんは“何鉄”?)主には“乗り鉄”になります。その路線ならではの風景を見たりとか」
これまでにおよそ400の路線に乗ってきたという。
佐田さん「乗った車両の模型も欲しくなったりするので、“乗り鉄”からの“模型鉄”というものになります」
もっぱら模型の鉄道を走らせてきた佐田さん。
「責任を感じつつ楽しんでいけたら」 佐田さん「小さいころの夢がかなった形になりました。まさか、本当に1/1スケールの鉄道を運転することになるとは思ってもいなかったので、責任感を感じつつも楽しんでいけたらな」
運転士不足が懸念されるなか、竹本社長の喜びもひとしおだ。
竹本社長「鉄道好きの社員というのは、いいなと思う。電車を乗りに来られるお客様も鉄道好きの人かなり多いので。お客様をお迎えする立場として鉄道に対する愛情だったり、知識がある社員の方がいいという側面もあります」
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■社長の悲願だった「4編成」に■社長の悲願だった「4編成」に
銚子電鉄ではこの夏、もう1つ大きな動きがあった。
新型車両を導入先月、大阪の南海電鉄から新たに2両編成の“新型車両”を導入した。
これは去年8月に続き、南海電鉄から同じ型式の車両を譲り受けたもので、これで銚子電鉄は4編成の列車を保有することになる。
社長の悲願編成を4つに増やすことは竹本社長の悲願だったという。その理由は…。
おととし1月に取材した際は、定期検査や故障で、1編成しか稼働できない事態になっていた。
竹本社長「思わず口をついて出た言葉が『もはや限界鉄道です』という、そんなお話をしたことも今でも覚えています。ギリの状況から、ある程度回復して、業績も売り上げも伸びてきて。おかげさまで多くの人にご支援をいただくことができて。ようやく電車が、これから4編成体制になっていく」
2013年以前は4編成で一日33往復、およそ30分間隔で運行していた。しかしその後3編成に減り、一日19往復、およそ1時間間隔となった。
30分間隔→1時間間隔の運行に 竹本社長「高校生の親御さんが、行きはいいんだと。銚子駅まで行って、そこからJRに乗り換えて高校に通いますよと。帰りが本数が少なくなってしまうと、銚子駅まで車で迎えに行かないといけない。そうすると定期券をいつ買ったらいいのか迷うと。『一刻も早く、ダイヤを元に戻してほしい』という、そういう声をたくさん頂いた」 4編成目の車両は整備中
現在、4編成目の車両は整備中で、今年度中に運行を開始する予定だ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年9月13日放送分より)
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