給与を水増しして横領したとして業務上横領罪に問われた70代女性の判決公判が12日、那覇地裁であり、加藤貴裁判官は「会社内で正当な手続きを経たと認識し、行為に及んだ可能性が否定できない」として無罪を言い渡した。

 判決によると、本島南部の会社で経理業務を担当していた女性は2017年、4割増しの給与を自身の口座に振り込んだ。上司に昇給を相談したところ「いいんじゃないの」と言われ、承諾を得たと思い込んだ、として無罪を主張した。

 検察側は女性が昇給決定権を持つ社長の了解を得ておらず、捜査段階の在宅の調べにも「断りなく昇給手続きをした」と供述したと指摘。懲役1年6月を求刑していた。

 加藤裁判官は、「(捜査機関に)言い分を素直に受け入れてもらえないことが続き、早期に手続きを終えたいが故に、深く考えず供述調書に署名押印したとする点はあり得そうな経過」と判断した。

 無罪判決を受け、弁護人は「主張が認められてほっとしている」とコメントした。

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