コシヒカリを積んだトラックの前であいさつするJA新潟かがやき経営管理委員会の遠藤一雄副会長(中央)=新潟市西蒲区で2024年9月12日午前11時0分、神崎修一撮影
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 全国的にコメの品薄状態が続く中、待ちに待った新米の出荷が「米どころ」の新潟県内でも始まった。JA全農にいがた(新潟市西区)は12日、2024年産新潟米コシヒカリの出荷式をJA新潟かがやき西中倉庫(同市西蒲区)で開いた。荷台いっぱいに新米が積み込まれたトラックが関東地方に向けて出発すると、JAの関係者らが手を振って見送った。【神崎修一】

 県外向けの初出荷となった12日は、新潟市内などで収穫されたコシヒカリの新米約231トンが関東や関西、中京地方へそれぞれ発送された。コメ不足の影響で、初出荷は前年より2日早まった。12日に出荷されたコシヒカリは、14日からスーパーなどの店頭に並ぶ見通しだ。

 農林水産省が発表した24年産米の作柄概況(8月15日時点)によると、新潟県全体は「平年並み」と見込まれている。JA全農にいがたによると、猛暑や水不足に見舞われた前年に比べ、今年は気候が比較的安定したといい、主力のコシヒカリの1等米比率は95%以上(11日現在)と高水準を維持している。

 新潟県内からの出荷が本格化することでコメの品薄状態は徐々に解消されそうだ。現在の品薄は、23年産米の流通量の減少や台風や地震が相次いだことによる消費者による「買いだめ」が要因とされる。外国人観光客の急増による需要拡大も影響した。JA新潟かがやきの遠藤一雄経営管理委員会副会長は「コシヒカリが流通することで、店頭でのコメ不足は解消される。期待してほしい」と呼びかけた。

 ただ物価高騰や品不足の影響を受け、新米の販売価格は大幅な値上がりが見込まれる。JA全農にいがたによると、コシヒカリの店頭での販売価格は5キロで3000円超となる見通し。例年より1000円近く高い値段だ。JA全農にいがたの高野洋県本部長は「生産者の費用がかさんでおり、需給が締まっていることも考えて価格を決めた。消費者にも理解いただきたい」と説明した。

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