東京地裁および東京高裁が入る庁舎=東京都千代田区で

 特定抗争指定暴力団神戸山口組の幹部から脅されて借金の連帯保証人にさせられ、多額の現金を脅し取られたとして、東京都内の男性が神戸山口組トップの井上邦雄組長と組幹部に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(阿部雅彦裁判長)は11日、2人に計約2億4000万円を支払うよう命じた。組員の行為に対して代表者も賠償責任を負う暴力団対策法の代表者(使用者)責任を認めた。

 判決によると、原告男性の知人は、組幹部に数億円の借金があった。男性は2019年6月、知人と組幹部宅を訪問。組幹部は激しい口調で怒鳴って返済を求めた。男性に対して「(知人は)もう殺して埋めたる」「二度と会えんと思え」と発言して恐怖を与え、連帯保証人にさせた。3カ月後、男性は組幹部に現金2億2000万円を渡した。

 判決は、男性が連帯保証人になることに合意したのは、交友のある知人の生命・身体に、組幹部が危害を加えると脅したからだと指摘。組幹部は関西弁で激しい口調で怒鳴っており、「指定暴力団の威力を利用した資金獲得行為に当たる」と認定。暴対法上、組トップの責任も認めるケースだとして井上組長の賠償責任を認めた。

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