自民党の情報通信戦略調査会の会合に出席した稲葉延雄NHK会長=東京都千代田区の同党本部で2024年9月11日、諸隈美紗稀撮影

 NHKのラジオ国際放送で中国籍の外部スタッフの男性が沖縄県・尖閣諸島について「中国の領土」などと発言した問題を巡り、NHKの稲葉延雄会長は11日、自民党の情報通信戦略調査会の会合に出席し、10日に発表した役員らの報酬の一部返納や調査結果などについて説明し、改めて謝罪した。議員からは「今回の事案は大変重大だ」との意見が多く出て、国際放送の体制やリスク管理の見直しを求める声が出た。

 同調査会事務局長の大岡敏孝衆院議員が会合後、報道陣に説明した。稲葉会長は会合で再発防止策も説明し、「リスク対応力を強化する」と強調。一部議員からは「処分が甘すぎる。稲葉会長らは辞任すべきだ」「国際放送を軽視しているからこんなことになる」との厳しい意見があったという。

 男性スタッフは尖閣諸島など日中間で主張が違う問題について、中国語でニュースを読むことにより、中国国内から批判を受ける恐れがあることにストレスがあったとされる。同調査会会長の野田聖子元総務相は会合で「中国語のニュースを、中国の人を使って読み上げようとするからこのようなことが起こる。日本人の人材育成を考えるべきだ」と発言した。【井上知大、平本絢子】

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