静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、園児の河本千奈ちゃん（当時3歳）を通園バスに取り残し熱中症で死亡させたなどとして、業務上過失致死の罪に問われた前園長、増田立義被告（74）と元クラス担任、西原亜子被告（48）の初公判が23日、静岡地裁であり、いずれも起訴内容を認めた。
増田被告は被告人質問で「千奈ちゃんを失わせたことを河本夫妻に謝罪したい。私の責任です。もうバスには誰も乗っていないと思い込んでいた」と述べた。
起訴状などによると、増田被告は同年9月5日午前8時50分ごろ、自身が運転するバスに園児を乗せて同園に到着。その際、降車確認を怠り、千奈ちゃんを施錠した車内に5時間以上取り残して熱中症で死亡させた。西原被告は、千奈ちゃんが登園していないのは無断欠席か遅刻と思い込み、保護者への確認をしていなかったという。
牧之原市の第三者委員会が今年3月に公表した報告書は、事件前年に福岡県中間市で同種事件があったのに同園は業務の見直しを行わず、園児の降車や出欠を確実に把握するマニュアルがなかったなどと指摘。安全管理体制に問題があったと結論付けた。【丘絢太】
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