上映会後のトークイベントで戦闘が続くガザ地区の状況を語る藤永香織さん(右から2人目)=福岡市西区で2024年4月19日午後8時38分、遠藤孝康撮影

 パレスチナ自治区ガザ地区に留学したイタリア人学生を主人公に、ガザの実情を描いたドキュメンタリー映画「医学生 ガザへ行く」(2021年)の上映会が19日、福岡市西区の「さいとぴあ」であった。約70人が参加し、23年10月に始まったイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘で3万人を超える死者が出ているガザ地区の現状に思いをはせた。

 上映会は糸島市の映画配給会社「ユナイテッドピープル」が企画した。映画は19年に撮影。救急医療の現場を学ぼうとガザに入ったイタリア人学生のリッカルドさんを通して、壁で囲われ、人や物資の行き来を制限されたガザの厳しい実情や、そこでたくましく生きる人々の姿を映し出す。

 上映後には、現在イタリアで暮らすリッカルドさんから届いたビデオメッセージが披露された。リッカルドさんはガザの友人から聞いた状況として「食料は足りず、感染症のリスクも高まっている」と語り「イスラエルへの武器供与を各国政府にやめさせることができれば攻撃は止まる。ガザの市民を守ることができる」と訴えた。

 その後のトークイベントでは、パレスチナ人の夫らがガザに残る藤永香織さん(53)=早良区=が登壇。現地では、避難民が集まる最南部ラファにもイスラエル軍が侵攻するのではないかという懸念が高まっているとし、「皆さんの関心やアクションがパレスチナ人の命を確保することにつながる」と支援を求めた。

 ユナイテッドピープルでは、市民に映画の上映会の開催を呼び掛けている。4月24日午後7時からは、東京都千代田区の日比谷コンベンションホールで同社主催の上映会を予定している。【遠藤孝康】

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