福島第1原発の燃料デブリ回収作業が中断した原因について斎藤健経済産業相(右)に報告する東京電力の小早川智明社長=東京都千代田区で2024年9月4日午後2時15分、高橋由衣撮影

 東京電力福島第1原発の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の初回収に向けた2号機での作業が中断されたトラブルで、東電の小早川智明社長が4日、現場の確認不足が原因だとする調査結果を斎藤健経済産業相に報告した。東電は5日に記者会見して詳細を公表する。

 小早川氏は面会で「現場が高線量下で重装備が必要にもかかわらず、一般的な準備作業において東電による作業の確認が十分ではなかった」と釈明。作業再開に向け「準備作業を含め、工程全般の確認プロセスを再精査する」とし、具体的な時期は明言しなかった。

 斎藤氏は「廃炉作業の安全性と遂行能力について地元や国内外に不安を抱かせることがないよう、高い緊張感をもって対応することを厳しく求めたい」と話した。

 東電は8月22日に2号機で試験取り出し作業に着手する予定だった。しかし、取り出し装置を格納容器内部へ押し込むパイプをケーブルに通す順番に間違いがあることが直前で判明し、作業を中断した。その後、斎藤氏に報告を求められ、9月2日に報告する予定だったが、東電が直前に延期を申し出ていた。【高橋由衣】

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