福岡地裁=福岡市中央区で

 東海大付属福岡高(福岡県宗像市)の2年生の男子生徒(当時17歳)が2021年3月に自殺したのは剣道部内でのいじめが原因の一つだったとして、生徒の母親が、加害者とされる上級生4人に損害賠償を求めた訴訟は4日、福岡地裁(加藤聡裁判長)で4人のうち1人と和解が成立した。

 亡くなったのは侑大(ゆうだい)さん(名字は非公表)。母親の代理人弁護士によると、19年6月に別の上級生が侑大さんに性的暴行を加えた際、体を押さえつけるなどの補助をした事実を認めて真摯(しんし)に謝罪し、慰謝料を支払うとの内容で和解した。金額などは明らかにしていない。

 母親は和解後に開いた記者会見で「早期の段階で事実を認めて謝罪してくれたことについては、正面から向き合ってもらえたと思う。簡単には許せないが、いじめる人、いじめられる人が減ることにつながればと思う」と話した。

 訴状などによると、侑大さんは1年生だった19年4~6月、所属していた剣道部の部室で4人から体を押さえつけられるなどして性的暴行をされ、21年3月10日にいじめ被害を訴える遺書を残して自殺した。残る3人は請求棄却を求めている。【志村一也】

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