1月の能登半島地震では、石川県輪島市内の小学校9校のうち6校の校舎が被災した。6校の児童が同じ場所で学べる仮設校舎がこの夏、市立河井小のグラウンドに完成。2日には2学期の始業式があった。約400人の児童が登校し、真新しい教室に元気な声を響かせた。
6校(河井小、鳳至(ふげし)小、鵠巣(こうのす)小、大屋小、三井小、河原田小)の児童らは地震後一時登校ができず、4月からは市立輪島中学校の空いている教室を間借りして勉強していた。
完成した仮設校舎はプレハブ2階建ての2棟で、図書室や理科室、給食の調理室なども備える。体育館には損傷がなく、引き続き使用できるという。
始業式では、河井小と大屋小の校長を兼務する六田茂行校長が「勉強できる場所が広がった。ベストを尽くしてほしい」と呼びかけた。児童はそれぞれの教室で授業を受けた後、給食のカレーをおいしそうにほおばっていた。
「友達が増えてうれしいけど、自分の学校で卒業したかった」。鳳至小6年の加川結望(ゆの)さん(12)はそう言って少しさみしそうな表情を見せながらも「2学期は、所属している地域のバスケットボールクラブで県大会ベスト4に入りたい」と話した。
県が8月28日に公表した今年度の学校基本統計速報によると、被害が大きかった奥能登地域(輪島市、珠洲(すず)市、能登町、穴水町)の児童数は計1179人(5月1日現在)。2023年度の計1663人から29・1%も減っている。
輪島市の6校の在籍児童数は計402人で、6人が市外に避難したままだ。【国本ようこ】
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