現場は一時騒然となりました。広島市のクリニックで塩素のようなものが発生し、2日午後、病院が緊急会見を行いました。

■現場騒然 大勢の救急隊員

 広島市中区、平和公園にほど近い一角が一時、騒然となりました。

 大勢の消防士、救急隊員が集まっているのはクリニックの前です。中でおよそ30人がせき込み、職員と利用者9人が体調不良を訴えて近くの病院に搬送されたのです。

クリニックにいた女性
「私、ロッカーで着替えていたから『避難して下さい』と」
「(Q.職員から何が起きたか説明は?)職員もあまり詳しくないみたいで、状況が把握できていないみたいで」

 一体、何が起きたのでしょうか。

医療法人あかね会 土谷治子理事長
「けさ、あかね会の健診と透析クリニック中島土谷クリニックで異臭騒ぎが起こっています。職員および利用者、患者は現在、土谷病院に全員避難をしています」

 警察と消防によると、午前9時半ごろ、クリニックの職員から通報があったといいます。

通報
「薬剤を混ぜてしまい、塩素のようなものが発生してしまった」

医療法人あかね会 土谷治子理事長
「患者、職員に関しては気分不良者など体調不良者が出ており、数人が土谷病院で入院しています」

■なぜ? 有毒ガス発生 病院が会見

 現場はクリニックの4階、透析治療が行われているフロアだといいます。午後、病院が会見を開きました。

医療法人あかね会 土谷治子理事長
「異臭の原因に関しては、透析装置を消毒する消毒剤の補充に誤りがあったと思われます。関与した職員が入院加療中のため誤りが起こった原因がはっきりと確認はできておりませんが、次亜塩素酸ナトリウムと酢酸が反応したと考えております」

 次亜塩素酸と酢酸はどちらも透析装置の消毒に使われるものですが、混ざると塩素ガスが発生するといいます。

中島土谷クリニック 森石みさき院長
「(2つの薬品は)近い場所にはありますけど、明らかに容器は違うということで確認していると思っています」

 消防によると、現場からは塩素が検出されています。

中島土谷クリニック 森石みさき院長
「クリニックの中に私はいなくて、連絡があったのですぐ駆け付けた。クリニックの外まで塩素のにおいはしました」

 当時、クリニックには職員およそ100人と利用者およそ100人の合わせて200人ほどがいました。

医療法人あかね会 土谷治子理事長
「患者は異臭が発生した4階に13人、うち2人が咽頭(いんとう)痛があり、土谷総合病院に入院しているが軽症です。4階スタッフ21人中7人が入院中で、2人が中等症、その他のスタッフは軽症で推移しています」

 2日中に透析が必要な患者に対しては、系列の病院などで治療を行い、19人に対して、経過を見るための入院を勧めているといいます。

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