栃木県那須町の河川敷で2人の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)の車から血痕が見つかったことが捜査関係者への取材で分かった。事件は23日で発覚から1週間。平山容疑者は「指示を受けた」とも供述しており、警視庁・栃木県警合同捜査本部は2人の失跡にグループが関与している疑いがあるとみて調べる。
会社役員の宝島龍太郎さん(55)=東京都千代田区外神田=と女性の遺体は16日朝に地元の森林組合関係者が発見。女性は宝島さんの妻とみられ、身元特定のため、鑑定が進められている。
これまでの捜査で、宝島さんらの失跡に至るまでの足取りも分かってきた。捜査関係者によると15日午後9時半ごろ、東京・上野のアメ横商店街で宝島さんが妻とみられる女性のほか、若い男1人と歩く様子が防犯カメラで確認されたという。男は平山容疑者とは別人とみられる。
次に防犯カメラに宝島さんの姿が捉えられたのは同日午後11時ごろ。品川区東品川の路上で、妻とみられる女性や複数の人間とワンボックスカーから降りていた。女性は車のそばにとどまり、宝島さんらはいずれかの方向へ歩いていったという。
映像では、宝島さんが拘束されたり脅されたりしている様子はなく、約30分後に再び車へ乗り込んだ。現時点でこれが最後に生存が確認された姿だ。
事件を巡ってはグループの関与も浮上。平山容疑者は、宝島さんについて「名前も知らないし、見たこともない」などと供述。一方で、宝島さんらを縛るのに使った可能性のある粘着テープや、焼損に使われたとみられるガソリン、携行缶を都内などで購入しており、「指示を受けて買った」と説明していることも新たに判明した。
平山容疑者の所有する車からは血痕が検出、遺体の運搬に使われた疑いも持たれている。容疑者は2人の失跡前の15日にこの車を運転。その際、都内で2人とは別の複数の人物と会っていたとみられる。これまでの調べに、指示した人物の素性は明かしていないという。
捜査本部は22日、平山容疑者を送検。何者かが平山容疑者に犯行準備を依頼した可能性があるとみて調べを進める。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。