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「友人からの相談です。子どもをプールで遊ばせていたところ、にわかに頭痛を訴えて泣くので何かと思ったら、隣人が窓からテレビを外に向け大音量で『モスキート音』を鳴らしていたとのこと」

【映像】窓から流された実際の“モスキート音”

 8月25日、「都民ファーストの会」幹事長の尾島紘平都議会議員がXにポストした動画が議論になっている。「悪いのは隣人か友人か、外遊び=近所迷惑か、政治・行政に何が出来るか。皆さまはどう思われますか」という問いかけに、リプ欄は「原因は子ども。せめて親は叱ったりしつけを」「うるさいのはわかるけど、故意のモスキート音はお門違い」と賛否の声があがっている。

 小池都知事は「チルドレンファースト」を掲げ、国も子育て支援を重視しているが、多様性が広がり、SNSなどで子ども嫌いや子どもを持たない選択をする人の発信も増えている。そんな中、社会全体で子どもを育てることは可能なのか、『ABEMA Prime』で議論した。

■尾島氏「私自身子どもがいて、どちらの気持ちもわかる」

 動画を投稿した尾島氏は「耳障りな音がしているものの原因がわからず、周りを確かめてみたら、お隣さんが窓を開けてテレビを外に向けて音を出していることがわかった。YouTubeで当該の動画を発見して、モスキート音であるとわかったそうだ。その後、救急車を呼んだり、警察に相談したりしたことについて、『客観的にどう思う?』『政治家としてどうか?』と聞かれた。私も0歳の子を持つ親の立場である一方、独身時代は子どもの声をうるさいと思うこともあった。どちらの気持ちもわかるので、政策を考えていくためにまずは世の中に問うてみた」と経緯を説明する。

 とはいえ、いきなりモスキート音を流すというのは飛躍した行為ではないか。「お隣さんとの関係を聞いたら元々良好で、お互いの家の事情もわかっているぐらいだった。今回は警告・注意なしの一発、いきなりのモスキート音だったのでびっくりしたようだ」と明かした。

 尾島氏は行政ができる対策として、「予算」を使い子どもが行きやすい公共施設(今回であれば公共プールなど)を増やすこと。「ルール」として、騒音被害を法律などで規定すること、騒音の対象から「子どもを除く」と明文化し、子どもの声に対する警察対応をなくして意識を変えることを提案する。

「ハード面では、公共施設を増やしたり、遮音壁や二重窓に補助金を出すという方法はあると思う。あとは法律面で、ルールを変えてしまうこと。東京都などのように、“子どもの声は騒音ではない”と規定することだ」

■「子ども嫌い」が公言しやすく、“社会全体で育てる”は可能?

 「赤の他人の子どもに興味ゼロ」と公言している、36歳独身のスケさん。「上の階に双子の姉妹が住んでいて、22時ぐらいまでずっと走り続けている。こちらとしては眠れなくなるし、生活にも支障が出ている。モスキート音を鳴らした方にどの程度影響が出ていたかはわからないし、やり方が正しいとも思わない。ただ、マンションの管理人に言うと『子どもだからしょうがない』と返ってきて、泣き寝入りするしかないわけだ。そういう人たちの気持ちをどうするかは、この社会にまだ欠けている視点ではないか」と投げかける。

 また、「子ども中心の社会、いきすぎていませんか?」とも思っているという。「“子どもなんだからしょうがない”で融通がききすぎている場面は、いろいろと感じる。私がまだ独身だからという話かもしれないが、不満を持つ人の多くはそういったところでの思い同調があると思う。そこで『子どもをいつか持つかもしれない』という言葉をかけられても、こちらとしてはなかなか割り切れない」と述べた。

 別の子ども嫌いを公言する20代女性は、「子ども嫌いの人は冷たい・人間として欠陥がある」「自分が産めば価値観が変わるはず」という古い価値観の押し付けは今も存在すると指摘。そもそも、よだれや食べ物を散らかすなどが生理的に不快で、子どもが好きな人と嫌いな人は「根本的にわかり合えない」、保護者が「しょうがない」と開き直ることは間違いだという考えがあるようだ。

 子どものいる世帯は年々減少。背景には、「子ども嫌い」を公言しやすくなったこと、SNS等でそういった人が可視化されたこと、強制的に求められる子育て協力への反発などがあるとみられる。

 尾島氏は、「練馬区の不審者メールで、女児が『そろそろ暗いからお家に帰りなね』と50代くらいの男性から声かけされたというものがあった。昔であれば、子どもは地域で育てるということで、声かけなどをするわけだ。それが今はリスクになってしまい、下手すれば通報されてしまう社会になっている」との見方を示す。

 コラムニストの河崎環氏は「22歳が初産で、それまでは子ども側だったのが、いきなり育てる側になってなんて緊張するんだろうと、“泣かせたら親の責任。静かにさせろ”という視線をすごく感じた。私なんかは団塊ジュニアで多子社会だったが、やはり子どもが嫌いな人も一定数いた。“あそこの人にはあまり近づいたら駄目よ”と教えてもらっていたわけだ。しかし、ある時点で多子社会から少子社会に転じ、子どものいない家庭がマジョリティになったことで、子ども嫌いを公言したり、制限を与えたりしてもいいという空気になってくる。むしろそれがマナーであり、都市生活者の生き様である、と。世の中の倫理に子どもの育て方を合致させる動きではないか」との見解を述べた。(『ABEMA Prime』より)

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