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 「2022年2月、乳がん発覚。前年検診受けて何もなかったのにステージ3C両側乳がん」

【映像】これでカンペキ? 対・抗がん剤副作用の装備(マンガ)

 33歳で乳がんの告知を受けたイラストレーターのななぽよさんは「頭が真っ白になって、医者の話もパニックで聞けず泣いてしまった。隣にいた娘も泣いて、人生で一番つらかったかもしれない」と振り返る。

 数カ月前に胸のしこりに気づいていたものの、娘も小さく授乳中だったため乳腺炎の名残だと思っていたという。

 「そのときはステージ3C。どんどん悪いことが発覚して、最初は左側だけだと思っていたが『右もある(ステージ1)』とわかり、さらにリンパにも転移していることが判明した」

 ステージ3Cの乳がんとはどういう状態なのか? 専門家に聞いた。

 「(ステージ3Cの乳がんは)進行乳がんと呼ばれ、初期段階から1つ進んでしまった状況。胸やその周辺のリンパ節に病気がとどまっているため、完治を目指した治療も可能だ」(乳腺外科医の尹玲花医師)

 しかし、専門知識のない当事者がすぐに前向きになるのは難しい。

 ななぽよさんも「ネットで検索しても悪いことが書いてあり、落ち込んでしまった」と振り返る。

 ステージ3Cの5年生存率などを検索し、厳しい数字を目の当たりにしたこともあったという。そんな中、ななぽよさんは病院を3軒まわり、信頼できる主治医と出会うことができた。

 ななぽよさんの主治医は「これから乳がんの治療があなたの人生に入ってくるかもしれないが、私たちができる限り努力とサポートをする。一緒に治しましょう」と心強い言葉をかけてくれたという。

 抗がん剤治療を開始し、7回に及ぶ治療の結果、ほぼすべてのがんが消えた。再発を防ぐため、両胸の摘出手術も行い、放射線治療を経て、現在は経過観察中だ。

 あらゆる治療を「やり切った」と話すななぽよさんが取り組んでいたのは科学的根拠に基づく標準治療だ。

 標準治療について、尹医師は「呼び方が『標準』とあるため、『もっといい治療があるのでは』と想像してしまうが、標準治療は一番確実性の高い治療だ。この点を押さえた上でよく考えて選択してほしい」と説明した。

 不安や焦り、そして「がん治療はつらい」というイメージで、標準治療を敬遠してしまう患者も少なくない。

 医師と相談した治療によってがんを克服したななぽよさんは、抗がん剤の副作用対策を1枚のイラストにまとめるなど、当事者としての経験を発信している。

 「経験者の皆様から『冷やすといい』『水分をとって排出するといい』『圧迫する病院もあるって聞いたよ』など実際に行った対策や病院に聞いた対策を教えてもらった。以前は『吐いてハゲてボロボロになる』というイメージがあったが、私の場合はそこまで辛くなかった」(ななぽよさん)

 口や足を冷やす行為は抗がん剤の副作用への対策として効果はあるのか?

 尹医師は「抗がん剤の副作用で起こる末梢神経障害を緩和するために有効だ。ただし、冷やしすぎて長時間血が通わなくなってしまうと凍傷のような症状が起こる可能性もあるので注意が必要」と説明した。

 闘病期間は痛みだけでなく精神的にもつらいもの。ななぽよさんは「不安になって病気について検索した時に少しでも明るい情報に出会えるとホッとする。私のマンガがそんな存在になれれば嬉しい」と語った。

(『ABEMAヒルズ』より)

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