札幌地裁=岸川弘明撮影

 札幌市の繁華街・ススキノのホテルで会社員男性(当時62歳)を殺害し頭部を切断したとして、無職の田村瑠奈被告(30)ら親子3人が殺人などの罪で起訴された事件で、死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助の罪に問われた母浩子被告(61)の公判が30日、札幌地裁(渡辺史朗裁判長)であった。

 検察側の証拠として、浩子被告が事件当日に「車のGPS記録残りますか」とのメッセージを父で精神科医の修被告(60)=殺人ほう助罪などで起訴=に送り、その後に削除した可能性を示す実験結果などが新たに採用された。

 検察側は、事件前に修被告が勤務先の病院で「ハイターで指紋は消せる?」と検索していたことなども指摘。当初予定していた修被告の証人尋問は、修被告が新型コロナウイルス感染により出廷できず、延期された。次回公判は10月1日。

 また、9月5日には、瑠奈被告の第1回公判前整理手続きが行われる。修被告の公判とは分離されることが決まったが、初公判の見通しは立っていない。

 起訴状によると、瑠奈被告は2023年7月1日、札幌市のホテルで恵庭市の男性を殺害。頭部を切断し、修被告が運転する車で自宅へ持ち帰った。浩子被告は、頭部を自宅に隠したり、頭部を損壊する様子を撮影したりするのを容認したとしている。【後藤佳怜】

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