■韓国の会社が“放置” 漁業に懸念
薬品を積んだタンカーが転覆したまま放置され、漁業に懸念が広がっています。
安岡漁港から船で沖に10分ほど出た所にある転覆したタンカーは、船底を上に向けて、まさに事故当日と同じ状態で今も残っています。
タンカーは転覆した場所で1カ月間、浮かんだままです。船内には刺激臭のあるアクリル酸980トンも積まれたままです。
このケミカルタンカー、所有するのは韓国の会社で先月20日、山口県下関市沖で転覆し、放置されたままになっています。乗組員9人が死亡し、1人が現在も不明のままです。
現場海域は今、サワラやイカがとれる時期ですが、この日、漁船や釣り客を乗せた船の姿はありません。撤去されないタンカーに漁業関係者から不安の声が上がっています。
山口県漁協 下関ひびき支店 梅野晋也さん
「やっぱり怖いです、正直。(積載物が)流出したら困りますから、皆さん心配していますね。漁師の方を始めね」
タンカーが居座る場所は漁船などの航路で、衝突の懸念もあります。
梅野晋也さん
「北の方に向かう時は航行するので危ないです。夜は特にレーダーのない船は危ないです。難しいのは分かりますが、それでもやっぱり早く対処してほしい」
これまでにアクリル酸や油の流出は確認されていませんが、海上保安部は船を所有する韓国の会社に「引き続き早期の撤去を働き掛ける」としています。
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