神戸市東灘区の病院「甲南医療センター」の医師、高島晨伍さん＝当時（２６）＝が令和４年、鬱病を発症して自殺したのは病院が長時間労働をさせていたのが原因だとして、両親が運営法人「甲南会」と男性院長に計約２億３千万円の損害賠償を求めた訴訟の第１回口頭弁論が２２日、大阪地裁（林潤裁判長）で開かれ、病院側が請求棄却を求めた。
学会の準備や研究などの「自己研鑽（けんさん）」と業務との線引きが争点の１つ。病院側は初弁論で「標準的な業務量で、過重労働の原因ではない。そもそも学会発表は労働ではない」とした。
母の淳子さんは意見陳述で「病院は以前から多くの内部告発があり、医師らが院長に改善を嘆願していた」と批判した。
訴状によると、高島さんは２年４月から臨床研修医として勤務。４年４月からは消化器内科の専攻医（旧後期研修医）になったが、鬱病を発症し、同年５月に自殺した。西宮労働基準監督署が昨年６月に労災認定。死亡直前の１カ月間の時間外労働は２０７時間を超え、約１００日間の連続勤務があったと判断した。
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