高校生の防災小説を基に作られた動画のワンシーン=宮崎県提供

 宮崎県は、県内高校生を対象に募集した防災小説コンテストで最優秀賞を受賞した作品を動画化し、ユーチューブの県公式チャンネルで公開している。県の担当者は「動画が防災への気づきや備えの一歩になれば」と話している。

 県は南海トラフ巨大地震などに備え、若い世代に災害を「自分ごと」として考えてもらおうと、2022年度にコンテストを始めた。第1回は「巨大地震発生時の自分を主人公とした物語」(800字程度)を募集し、500点以上の応募があった。

 動画にしたのは、22年度に最優秀賞となった県立佐土原高3年、中谷一路(いちろ)さん(17)の作品「絶望の中のクリスマス」。学校からの帰宅途中、バス車内で地震に遭い、迫り来る津波の恐怖の中で地域の人々が叫ぶ方へと坂を駆け上がる主人公。たどり着いた避難所での日々を人々と励まし合いながら生きていく。「声を掛け合い助け合うことの大切さ」を伝える内容だ。

 動画はアニメーションで約4分間。県は防災行事などで活用し、早期避難の重要性、避難所の確認、避難先での助け合いなど防災力の向上に役立てたいとしている。【下薗和仁】

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