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非常に強い勢力へと発達した台風10号は27日夜現在、奄美大島付近でほとんど停滞しています。

日本列島に湿った空気を送り続け、前線も刺激し、各地に大雨を降らせ、岩手県では線状降水帯が発生しました。特に、台風の直接の影響を受ける鹿児島県や宮崎県は、28日からの3日間で1000ミリ以上という、かつてない記録的な大雨に見舞われる恐れがあり、安全の確保が最優先の課題です。

■「非常に強い」勢力で奄美大島に

暴風域の真っただなかに入った鹿児島の奄美大島。船便も航空便も止まって、スーパーの棚はスカスカに。住民は少しでも被害を減らそうと備えを急いでいました。

動画撮影者
「突風が怖いので、そこだけは気を付けたい。気を付けようもないが」
「結構、波風が強くて。沖防波堤の方ではだいぶ波が覆いかぶさっている」

日が暮れると、さらに雨風が強く。台風10号はこれから奄美地方に最接近する見込みで、気象庁は28日夜にかけて線状降水帯の予測情報を発表しています。

突然の停電も…。

動画撮影者
「エアコンもまったくつかないので、室内はかなり蒸し暑い」

今回の台風はなかなか動きが読めません。最新の予報では29日に九州を直撃し、週末にかけて東日本にゆっくり進む見込みです。ただ、予報円が非常に大きく、上陸のタイミングはまだずれる可能性もあります。

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■各地に影響広がる

■各地に影響広がる

3〜4日分の食料を買い込んで備える人も。

女性
「冷凍をあまり買っちゃうと、停電した時に冷凍庫が使えない。前回あったので、台風の時に。(Q.停電が怖い)怖いですね」

台風から遠く離れた北海道も大雨に。台風が秋雨前線を刺激したからです。さらに、東海でも台風からの湿った空気が流れ込み、活発な雨雲がかかり続けました。

しばらくは、台風から離れていても油断できません。愛知では、24時間に降った雨が8月一月分の2倍近くになったところも。豊橋市ではあっという間に道路が冠水してしまいました。

大雨の影響で、東海道新幹線は、27日一日で4回運転見合わせと再開を繰り返しました。今後も最新情報の確認が必要です。

浜松駅から仙台に帰る人
「ご飯食べて戻ってきたら人だかりができていて。(Q.この後は)午後6時まで待って再開しなかったら、近くのカラオケとかどこかで」

JR東海は、計画運休の可能性がある日程について「30日〜31日」に変更しています。

気象庁は27日夜、岩手県盛岡市で猛烈な雨が降っているとして、記録的短時間大雨情報を相次いで発表しました。さらに午後8時前、岩手県では線状降水帯が発生。災害の危険度が急激に高まっています。

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■“災害級の大雨”か 各地で備え

■“災害級の大雨”か 各地で備え

全国各地に影響を及ぼしながら台風本体が着実に近付いて来ています。28日にも最接近する可能性の高い鹿児島県・種子島でも次第に雨風が強くなり、島内では一部地域で停電が発生していました。

一人暮らしのお宅を訪ねてみると…。

住民
「(電気が)つきませんね。(Q.停電への備えは)いや…27日に停電があると思ってなかったものですから。朝早くお店に行って2〜3日分(買い出しした)」

せっかく食料を買い込んだのに、電気がなければ傷んでしまします。

住民
「28日くらいが風が強いみたいだから、また28日から停電になるんじゃないかなと不安」

街の中核的な医療機関でも備えが進められていました。食料の備えは最大10日分。停電しても非常用電源で3日は持つ設備があります。さらに病院では、災害時に避難所に入るのが難しい患者の受け入れも行っていました。いわゆる“避難入院”です。

種子島病院 看護師 田中さつきさん
「トータル5名の受け入れになっています。台風の時はこれが自分たちにとって普通」

27日に避難入院した、宮園益男さん(89)。妻のルリ子さん(89)も入院します。夫婦ともに歩行が困難で、介助が必要な状況です。

避難のため入院 宮園益男さん
「年寄りの所帯ですので、それでこちらにお世話になりに来ました。安心です。今来る台風はものすごく強いので、何が飛んでくるか分からんですよね」

ルリ子さんは、つい最近も入院したばかり。

避難のため入院 宮園ルリ子さん
「1週間くらい前に来て、もう懲り懲り。懲り懲りや。(Q.本当は家で過ごしたかった)うん。(Q.でも台風が来ていて、家でご飯食べるのも)(入院は)良かったり悪かったりや」

災害時には、高齢化が進む離島ならではの事情が浮き彫りになります。

家事代行おはな 看護スタッフ 園田千尋さん
「田舎で自宅も1軒1軒離れているので、面倒見るということもなかなか難しい。見る人も高齢者だから。こういう災害時は子どもも飛んでこられないし、病気の重い方は病院の方が安心だと思う」

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