陸上自衛隊は26日、フランス陸軍との共同訓練「ブリュネ・タカモリ」を実施すると発表した。宮城県の陸自王城寺原演習場を主会場とし、期間は9月8~20日。日仏陸軍種による共同訓練の第1弾として昨年から始まり、日本国内での実施は初となる。
訓練名は西郷隆盛とジュール・ブリュネという両国の著名な軍人を組み合わせている。ゲリラとコマンド(特殊部隊)に対処する戦術技量の向上が目的。昨年は南太平洋の仏領ニューカレドニアで実施した。
今回は、陸自から東北方面隊傘下の第39普通科連隊(青森県弘前市)を中心に計約100人が、フランス側は南仏ニームに司令部を置く第6軽機甲旅団の歩兵約50人がそれぞれ参加。市街地や森林に潜んだ敵役を探したり、各種火砲を用いて追い詰めたりするほか、負傷者救護などの訓練も予定している。
同旅団は中東やアフリカでゲリラ・コマンド作戦に従事しており、陸自はフランス側の知見を吸収したい考えだ。
フランスはインド洋にレユニオンや、南太平洋にニューカレドニアなどの領土と排他的経済水域(EEZ)を有する。中国の活発な海洋進出を念頭に、インド太平洋地域への関与を強め、日本との安全保障分野での連携を深めている。日本とフランスの両政府は今年5月、自衛隊とフランス軍の相互往来をスムーズにし、共同訓練をしやすくするための「円滑化協定(RAA)」締結に向け交渉を開始することで合意した。【松浦吉剛】
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