栃木県那須町の河川敷で東京都千代田区の会社役員、宝島龍太郎さん（55）ら2人の遺体が見つかった事件で、遺体発見の前日夜に品川区内で宝島さんが防犯カメラに映っていたことが分かった。警視庁と県警の合同捜査本部が22日、明らかにした。宝島さんは数人の人物と一緒に映っており、捜査本部はこの人物が事件に関与した疑いがあるとみて調べている。
事件では、那須町伊王野の山中の河川敷で、16日未明から朝までの間、宝島さんと女性の遺体に火を付けて損壊したとして、埼玉県越谷市の建設業、平山綾拳（りょうけん）容疑者（25）が死体損壊容疑で逮捕された。女性は宝島さんの妻とみられる。
捜査本部によると、平山容疑者は「人に頼まれて車を貸して、携行缶を購入した」などと供述。一方で、宝島さんについては「名前も知らない」と話しているという。捜査本部は何者かが平山容疑者に事件の準備を頼んだ可能性があるとみて、2人の死亡した経緯についても詳しく調べている。
宝島さんと妻とみられる女性は15日午後9時過ぎ、平山容疑者とは別の若い男性と3人で歩く姿が、東京・上野のアメ横の防犯カメラに映っていた。3人はその後、アメ横付近に止まったレンタカーのワンボックスカーに乗り込み、移動したとみられる。
その日の午後11時半ごろには、品川区東品川で、宝島さんがワンボックスカーから降りた姿が、防犯カメラに映っていた。宝島さんや妻とみられる女性の他に、数人の人物がいたが、その中に平山容疑者は含まれていないという。
ワンボックスカーはその後、都内の別の場所で、セダン型の黒色の乗用車と落ち合った可能性がある。その後、2台は分かれて、セダンは栃木方面に向かったとみられる。捜査本部は平山容疑者名義の黒いセダンとワンボックスカーを押収しており、事件に使われたとみている。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】
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