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 SNSで著名人を装い投資を勧め、お金をだまし取る手口が急増し、去年1年間で300億円近い被害が出ています。番組では、2億円以上だまし取られた女性に話を聞きました。

■堀江氏も激怒 前澤氏「日本なめんな」

SNS広告がきっかけ…投資詐欺にだまされた女性 この記事の写真 投資詐欺に遭った50代女性
「頭が真っ白。あれだけニュースになってる。自分が(詐欺に)かかるなんて、夢にも思わなかったです」

 悔しさをにじませるのは、SNS広告を見たことがきっかけで、投資詐欺にだまされてしまった女性。被害額は2億円を超えています。

著名人を無断で使用した広告が増加

 SNS広告で著名人をかたった詐欺が相次いでいます。顔写真を使われた著名人は広告の掲載元であるアメリカのMeta社に怒りをあらわにしています。

堀江貴文氏「なめた対応しかしない」 堀江貴文氏
「もう削除しろ、削除しろってもう1年以上言ってるんですよ、ずっと。(Meta社は)なめた対応しかしない。ずっとなめられてます」 Meta社が声明

 こういった抗議を受けて、Meta社は声明を出しました。

Meta社の声明文
「Metaは規定に沿って広告を審査していますが、世界中の膨大な数の広告を審査することには課題も伴います。社会全体でのアプローチが重要だと考えます」

 まるで他人事のような内容に、実業家の前澤友作氏は強い言葉で批判しました。

前澤氏のXから「日本なめんなよマジで」 前澤氏のXから
「日本なめんなよマジで」 広告クリックからLINEやり取り

 先ほどの女性もSNSの広告をクリックしたことをきっかけに、資産運用のアナリストを名乗る人物とつながり、LINEを使ってメッセージを送り合うようになったといいます。

 女性には切羽詰まった理由がありました。保有していた株が大きく値下がりし、数千万円分の損失が出たといいます。

被害女性「優しい言葉で巧みに…」 投資詐欺に遭った50代女性
「(投資に関する資金を)貸してくれるなら、詐欺ではないと(思った)。『お母さまに楽な暮らしをさせることを考えましょうね』と言われたりして。優しい言葉を巧みに言われた」

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■岸田総理とのツーショット写真も送付

■岸田総理とのツーショット写真も送付

他人の名義で口座が勝手に開設

 今思えば、不可解な点は多くありました。

 投資する際、自分の口座ではなく、アナリストを名乗る人物から紹介された他人の名義で口座が勝手に作られてしまったことです。

 実際にそのアナリストと会ったことはなく、やり取りはメッセージのみだったといいます。

アナリストを名乗る人物から実際に送られてきたメッセージ アナリストを名乗る人物から実際に送られてきたメッセージ
「よく出来ました!資金を増やすと今夜の収益も必ず増えます」
「市場相場分析によると、明日は今週最後の取引日です」
「変動はさらに激しくなるでしょう」 岸田総理とのツーショット写真も…

 アナリストを名乗る人物からは、ある写真が送られてきたこともあります。岸田文雄総理大臣とその人物とのツーショット写真です。

「納税証明書」にも不可解な点

 先方からは「納税証明書」も送られてきたといいますが、これにも不可解な点がありました。

弁護士法人パートナーズ法律事務所
原和良弁護士

「これも非常に不可解な証明書ですので、おそらくは偽造ではないかと」 記載の字や言葉にも誤り多く…

 記載されている字や言葉にも誤りが多く見つかっています。

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■「詐欺被害のリアルな実態」2億円返金は…

■「詐欺被害のリアルな実態」2億円返金は…

振り込みは「2億2000万円ほどまで…」

 投資を続けることおよそ半年、ついに女性の資金は尽きてしまいました。

投資詐欺に遭った50代女性
「(Q.いくら振り込んだ?)計算するのも恐ろしいですけど、2億2000万円ほどいっていると思います。どうしていいか、本当に分からない」 弁護士法人パートナーズ法律事務所 原和良弁護士

 弁護士に相談したところ、厳しい現実を突き付けられました。

原弁護士
「完全な詐欺。刑法上の詐欺ですね」 被害女性、家族には「言えない」

 女性は家族にいまだこの事実を打ち明けることができていません。

投資詐欺に遭った50代女性
「(Q.家族には?)言えません。全く言えません。母にも先生たちの導きでお金が増えたら、お金をあげるねなんて言っていた」 女性の2億円は返ってくる…?

 果たして、女性の2億円は返ってくるのでしょうか。

原弁護士
「うまくいけば一部が残っていて、戻ってくる可能性はありますけど。本人には『返ってくると期待しないでください』と。それが詐欺被害のリアルな実態だと思います」

(「グッド!モーニング」2024年4月22日放送分より)

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