【南城】コストコオープンによる大渋滞は休日の市民の足を直撃した。南城市役所を発着点とするコミュニティーバスの「N(エヌ)バス」は、通常なら1周約75分のルートが約10時間かかる異常事態に。車両が戻ってこないことには次の便を出せず、24日は全59便のうち26便しか運行できなかった。抜本策はなく、影響は25日以降も続きそうだ。

 Nバスは65歳以上の南城市民なら無料。買い物へ出かけるために使うお年寄りが多く、平日は学生も利用する。昨年度の乗客は月平均1万5325人に上る。

 24日午前6時の始発便は、市役所を出た約50メートル先でコストコを目指す車列にのみ込まれた。コストコ客の車を路肩へ寄せようにも道幅が足りない。Nバスには「今日は運行しているのか」といった問い合わせが午前中だけで30件以上寄せられた。与那原署にも渋滞の通報が十数件あった。

 南城市の「市交通情報発信サイト」の地図は、コストコ周辺が次々と濃い赤に染まり、渋滞は午前6時半で3・4キロ先まで拡大。新里坂(びら)や南部東道路は一時、車が全く動かなかった。

 Nバスの運転手は、コンビニのトイレを拝借しながらハンドルを握り続けた。運転手の交代要員は農道を縫ってバスにたどり着いた。「こんなのは初めて。道路を整備してからのオープンなら良かったのに」とバス関係者は嘆いた。

 大渋滞による救急搬送の遅れは確認されなかった。(南部報道部・平島夏実)

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