22日未明にマリアナ諸島で発生した台風10号の名前は「サンサン(Shanshan)」。香港の「少女の名前」が由来だという。
思わず、かわいらしい女の子の姿を思い浮かべてしまうが、気象庁によると週明けには日本列島に接近、上陸する恐れがあるので注意が必要だ。
ところで、台風の名前はどうやって決まっているのだろう?
名前の数は140個
気象庁によると、甚大な被害をもたらしたカスリーン(1947年)、ジェーン(50年)のように、かつては米国が英語の人名を台風につけていた。
ところが2000年以降、北西太平洋や南シナ海で発生した台風には、アジア風の名前がつけられることになった。アジアの人々になじみのある名前にすることで防災意識を高め、連帯の強化や相互理解を進める狙いがあるという。
アジア風の名前は140個あり、政府間組織「台風委員会」が定めた。日本、中国、韓国、米国など委員会に加盟する14カ国・地域が、それぞれ10個ずつ命名した。
140個の名前は順繰りに、台風の特徴や規模とは関係なく繰り返し使用される。ただし、台風が大災害をもたらした場合、次回からは別の名称に置き換えられることもある。
名称の条件は、アルファベット9文字以内で長すぎず、発音しやすいこと、他の国・地域の言語で感情を害するような意味を持たないこと――などが求められる。
日本は「星座」を採用
日本が命名した10個の名前は、「コイヌ」「ウサギ」「コグマ」など、すべて星座が由来だ。気象庁の担当者は、命名の理由について「中立的かつ自然の事物で比較的利害関係が生じにくく、大気現象である台風とイメージ上の関連をもつ天空にあり、親しみやすい」と説明する。
日本以外の加盟国・地域によるネーミングには、明確な規則性がない場合もあるようだ。例えばマカオが命名した名称は、マカオの名所に由来する「サンバ(Sanba)」や、花火を意味する「インファ(In-fa)」、プリンを表す「バビンカ(Bebinca)」などがある。「なぜこの名前にしたのだろう?」と、思わず疑問がわく。
他にも、タイが命名した、お菓子の名前である「ブアローイ(Bualoi)」や、雷の天使を意味する「メーカラー(Mekkhala)」、ミクロネシアが命名した、伝統的な部族長の称号「ソーリック(Soulik)」、有名な戦士の名前「ニパルタック(Nepartak)」など、ユニークな名前が多い。【杉田寿子】
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