職員による患者への性的虐待が判明した独立行政法人・国立病院機構大牟田病院=福岡県大牟田市橘で2024年5月1日午後、降旗英峰撮影

 独立行政法人・国立病院機構大牟田病院(福岡県大牟田市)で身体障害のある入院患者らへの性的虐待が発覚した問題で、県は23日、計14件が障害者虐待防止法に基づく虐待に認定されたと発表した。被害者は20~70代の男女9人で、関与した職員は男4人だった。

 県によると、同法に基づき病院から虐待を受けた通報があった患者は12人だったが、自治体調査で9人が認定された。虐待が始まった時期は不明だが、2021年ごろには起きていたとみられ、証言や目撃情報を元に14件の虐待を認定。内訳は性的虐待が6件、身体的虐待が4件、心理的虐待が4件だった。

 被害者9人は身体に障害があり、意思疎通が困難な人もいた。職員4人は看護師や介護職員などで、うち2人は既に退職。患者と1対1で対応する際に虐待行為をしており、職員は「コミュニケーションをとるためだった」と話しているという。

 県福祉労働部の山田晶子(しょうこ)次長は「(虐待の)事実をすぐに発見できなかった病院の体質に課題がある」と述べ、早ければ9月にも病院に立ち入り再発防止策を確認し、改善していない場合は障害者総合支援法に基づく勧告を検討する方針を示した。

 病院側は取材に「決定通知が届いてから全容を発表する」としている。【城島勇人】

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