福岡市東区の「海の中道大橋」で幼いきょうだい3人が犠牲になった飲酒運転事故から25日で18年となるのを前に、3児を供養する地蔵が建つ妙徳禅寺(東区)には23日、近くの保育園に通う園児らが参拝に訪れ、冥福を祈った。事故の風化が危ぶまれる中、市内では市民らが飲酒運転の撲滅を呼びかける啓発運動に取り組んだ。
妙徳禅寺には午前9時半ごろ、近くの市立馬出保育所の園児ら25人が参拝に訪れ、3児が好きだったヒマワリの花束を地蔵前に供え、手を合わせた。年長の三角理紗ちゃん(6)は「飲酒運転事故が起きないようにお願いした。家族にお酒を飲んだら運転しないでねと言いたい」と話した。
福岡市中央区では飲酒運転事故の遺族ら約130人が市道沿いに並び、「みんなで本気で飲酒運転撲滅」などと書かれた手旗を掲げた。企画者の一人で、飲酒運転事故で高校1年生だった長男を亡くした山本美也子さん(56)は「飲酒運転ゼロにはほど遠いが、声を上げ続けることで社会は変わる」と訴えた。
警察庁によると、2023年に全国で起きた飲酒運転による人身事故は2346件(前年比179件増)。呼気1リットル当たりのアルコール分が0・25ミリグラム以上の「高濃度者」が6割超を占め、死亡事故は112件起きている。
海の中道大橋の事故は06年8月25日夜に起きた。家族5人が乗った乗用車が、飲酒運転の車に追突されて博多湾に転落。大上紘彬(ひろあき)ちゃん(当時4歳)と倫彬(ともあき)ちゃん(同3歳)、紗彬(さあや)ちゃん(同1歳)の3児が水死し、両親が負傷した。【栗栖由喜】
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