本体工事が完了し、円環が一つにつながった大屋根「リング」=大阪市此花区で2024年8月21日午後4時21分、本社ヘリから西村剛撮影
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 2025年大阪・関西万博の会場となる大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)(此花区)で21日、シンボルの大屋根「リング」(1周約2キロ)の本体工事が完了し、円環が一つにつながった。「多様でありながら、ひとつ」という万博の理念を表現したもので、世界最大級の木造建築物となる。

 工事は23年6月末に着工。三つの工区に分けて進められてきたが、この日、南東工区の屋上通路の床面や手すりの取り付けを終え、報道陣に公開された。12月末までにエレベーターやエスカレーターを設置し、屋上の植栽も整えて、25年4月の開幕に備える。

 リングには約2万7000立方メートルの国内材などを使用。木材の接合部は京都・清水寺の「清水の舞台」でも用いられる伝統工法「貫(ぬき)」を金属ボルトなどで強化し、現代風にアレンジした。海外パビリオンを囲むように造られ、屋上通路「スカイウオーク」(高さ12~20メートル)からは、会場全体や大阪湾を一望できる。

 建設費が約350億円と高額なため、国会などで「無駄遣い」「世界一高い日傘」と批判された。万博閉幕後は解体される予定だが、一部を現地に残す案や、部材を他の建物や内装に再利用する案も出ている。しかし、日本国際博覧会協会が24年6月までに集計したところ、再利用が見込めるのは全体の4分の1の約6000立方メートルにとどまるほか、無償での引き取りを希望する声が多かった。再利用する場合は、解体時に追加費用が生じる可能性があるという。【東久保逸夫】

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