16日付で最高裁判事から第21代最高裁長官に就任した今崎幸彦氏(66)が同日、記者会見し「大きな責任に身が引き締まる思い。自分にできることを地道に誠実に実行していきたい」と抱負を語った。
手続きIT化で「分厚い書類一掃」
裁判を巡っては、2025年度にも民事裁判の手続きをIT化する改正民事訴訟法が全面施行される。刑事事件でも手続き全般をIT化する制度改正が議論されている。今崎氏はIT化によって審理の質を向上させるべきだと指摘。「弁護士、検察官と裁判官の間の意思疎通が格段に円滑になり、机の上から分厚い書類が一掃されることを夢見ている」と語った。
裁判所には近年、性的少数者の権利保護に関する訴訟が相次いで持ち込まれている。こうした現状に対しては「事件の背景となる社会的な実態への理解は欠かせないし、多角的な視点からバランスの取れた判断力が求められる。裁判官としての総合力が試される」との認識を示した。
同日付で大阪高裁長官から最高裁判事に就いた平木正洋氏(63)も記者会見し「重い職責を果たせるか不安がないわけではないが、一件一件、事件に誠実に取り組みたい」と述べた。【巽賢司】
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