「戦場カメラマン」としてテレビ出演も多いフォトジャーナリスト、渡部陽一さん(51)による「戦場からのメッセージをあなたに~ファインダー越しに見た命の現場~」と題した講演会が11日、津市羽所町のアスト津で開かれた。ベレー帽にカメラマン用のベストを着たおなじみの姿で登壇した渡部さんは身ぶり手ぶりを交えながら「戦争の犠牲者はいつも子供たち。その惨状をカメラマンとして撮り続ける」と語った。
講演では戦地の病院で治療を受けられない子供たちや学校に通うことのできない少女の写真を紹介。「戦地の子供たちの声を世界中に届ける架け橋となる写真を撮ることが仕事。写真を届けられなければ、子供たちの受けた悲しみが無かったことになる」と、カメラマンとしての「使命」について語った。最近のパレスチナ情勢にも触れ、「今日の、この瞬間にもガザへの軍事侵攻は続いている」と強い口調で話した。
講演会は三重県保険医協会の創立50周年記念事業の一環として行われ、約270人が耳を傾けた。会場からの質問にも答え、現場で大切にしていることを問われた渡部さんは「安全を第一に、ガイドの指示に従い、取材を欲張らず、引く勇気を持つこと」と明かした。【下村恵美】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。