東北地方を横断した台風5号は13日午前3時、日本海で熱帯低気圧に変わった。暖かく湿った空気の影響により、北海道と東北では14日にかけて大気の不安定な状況が続き、一部で警報級の大雨になる恐れがある。気象庁は、引き続き土砂災害や河川の増水などに警戒するよう呼び掛けた。
総務省消防庁によると、13日午前9時時点で人的被害は報告されていない。岩手県などによると、釜石市と岩泉町で住宅の床下浸水が少なくとも計4棟で確認された。岩泉町の観光名所・龍泉洞は通路が冠水したため閉鎖した。釜石市ではがけ崩れに無人の作業小屋1棟が巻き込まれた。
14日午前6時までの24時間降水量は多いところで、東北80ミリ、北海道150ミリと予想される。岩手県の一部では降り始めからの総雨量が平年の8月1カ月分の2倍を超えるなど記録的な大雨となっており、地盤が緩んだ場所や増水した河川があるため、東北の太平洋側では13日夜遅くにかけて土砂災害や低い土地の浸水、河川の氾濫への警戒が必要となる。北海道の太平洋側西部と日本海側では14日夕方にかけて大雨となる見込み。
一方、気象庁によると、13日午前3時、日本の南の海上で熱帯低気圧が台風7号に変わった。14日夕方から夜にかけて小笠原諸島に接近する見込みで、予想される波の高さは14日が5メートル、15日が6メートル。いずれもうねりを伴い、高波への警戒が必要。伊豆諸島や東日本には15日以降に近づく恐れがある。【斎藤文太郎】
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