台風5号が東北地方を横断しています。道路の冠水や土砂崩れが相次ぎ、岩手県の一部では孤立する地域も出てきています。
■大雨でダム緊急放流
目の前にあるのは川ではなく道路です。岩手県久慈市。車のヘッドライト付近の高さまで冠水しています。
12日午前10時23分、ダムに流れ込む水が限界を超え、緊急放流が始まります。いつもなら透き通っているダムの水が12日は茶色く濁り、うねりを伴った状況になっています。
ダムから5キロ以上、離れた下流の長内川では、わずか1時間足らずで氾濫危険水位を超えました。普段は幅も狭く、橋脚も見えるほど低い水位ですが、時間を追うごとに水位は増します。緊急放流をした後、急激に上昇したのです。
周辺の住宅街は冠水する被害も確認できました。
撮影者
「こっちに帰ってきた。帰省してきて。びっくりはします。水路からあふれてきて冠水した」
緊急放流の影響で、周辺では約8300人を対象に一時、緊急安全確保が出されました。
■雨水が絶え間なく… 観光名所“冠水”で閉鎖
台風5号は東北地方を横断しながら猛威を振るっています。
岩手県岩泉町では24時間に200ミリ近い雨が降り、小本川は氾濫危険水位を超えました。道路の冠水や土砂崩れが相次ぎ、一部地域で孤立状態が続いています。観光名所にも影響が出ていて、龍泉洞は数日間の閉洞を余儀なくされました。
観光客(大阪から)
「まさか台風が急だったので予定を変えられなくて、仕方なく様子だけを見に来た感じ」
岩手県釜石市では土砂崩れも起きています。この影響で、周辺の一部区間で国道の通行止めが続いています。
岩手県宮古市では車が突然、引き返しています。
運転手
「もう駄目そうだから戻った」
祖父の家に避難してきたという家族。
祖父の家に避難した女性
「いつもと川の様子が違う。念には念を入れて避難した」
■台風は5号は停滞? 影響いつまで
台風5号は東北をゆっくりと横断し、この後、日本海に抜けますが、海上で停滞するとみられます。
13日にかけて東北の日本海側を中心に大雨や暴風が長引く恐れがあり、引き続き厳重な警戒が必要です。
12日午前8時半ごろ、岩手県大船渡市付近に上陸した台風5号。最大瞬間風速27.3メートルと、今年一番の暴風雨を観測しました。倒木などの被害も相次ぎ、各地で交通障害が起きています。
お盆休みの帰省客や旅行客の足にも大きな影響が…。
名古屋から来た人
「本当はきょう夕方の便で名古屋へ帰るつもりだった。飛行機が飛ぶかどうか分からないから、午後1時ごろまで待ってもう1泊するか、新幹線にするか考えていた。どうしようか迷っている」
航空機の欠航はJALが78便、ANAが17便。合わせて約8400人の足に影響が出ています。
▶テレ朝天気
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