お盆休みを古里や行楽地で過ごす人々の帰省ラッシュが10日、ピークを迎え、JR東京駅は家族連れなどで混雑した。一方、直前に「南海トラフ巨大地震」への注意を呼びかける「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表され、乗客からは今後の地震を心配する声も聞かれた。また、航空会社や旅行会社などは予約のキャンセルなどへの対応に追われた。
東海道新幹線で名古屋市に帰省する公務員の男性(35)は「例年、お盆に帰省しているが、混み具合はいつも通り」と話した。地震については「新幹線は一部で速度を落として運行すると聞いている。それほど心配していない」と話した。
福岡市であるソフトボールの大会に出場する孫の男子中学生(15)を応援するため、福島県二本松市から向かう途中の浜尾俊則さん(69)は「(地震には)政府が言うように冷静に行動したい。ただ、滞在中に地震が起こらないかは神頼みだ」と不安を口にした。
新大阪行きの新幹線を待っていた、旅行中の米国人、アメリア・オバーグさん(30)は「何でこんなに混んでいるの?」と驚いた様子だった。南海トラフ地震などについて「ほとんど知らなかった。英語だと情報があまりなく、危険かどうかの判断がつかない」と困惑していた。
JR各社の新幹線と在来線のお盆期間(9~18日)の指定席予約は7月25日時点で前年比の約1・2倍となっている。JR各社は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を受け、予約・購入した切符の払い戻しや変更には手数料を取らずに対応する。
また、8月2日時点の日本航空(JAL)と全日空(ANA)の国内線の予約状況は前年並み。JALとANAは9~12日に宮崎空港を発着する便について、手数料を取らずに払い戻しや変更に応じる。
旅行会社のクラブツーリズムは10~15日に各地を出発し、関東から九州にかけて太平洋沿岸を対象とした南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域に宿泊するツアーなどを取りやめた。【白川徹、高島博之】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。