13日から運休する高速船「クイーンビートル」=福岡市博多区で2022年11月4日午前8時54分、久野洋撮影

 JR九州は9日、博多港(福岡市)と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」を13日から当面の間、運休すると発表した。運航するグループ会社のJR九州高速船が、2月ごろに起きた船内への浸水を国に報告せずに安全運航のためのデータを改ざんし、浸水の警報センサーの位置も国に無断でずらしていた。8月6日に国の臨時監査があり、発覚した。

 クイーンビートルを巡っては、5月30日に乗員乗客計約340人を乗せて航行中、浸水を示す警報が出た。調べたところ、船首に亀裂があるのを確認。修理後の7月11日に運航を再開していた。

 2023年2月11日にも、運航中に浸水の警報が作動。翌12日に船首に亀裂が見つかったが、船舶安全法に定められた臨時検査や国への報告をせず、応急処置をして14日まで運航を続けた。国は行政処分となる輸送の安全確保命令を出していた。

 JR九州の担当者は「多くの皆さんにご心配をかけ、深くおわびします。国の監査に全面的に協力したい」と謝罪した。

 クイーンビートルは三つの船体から成る「トリマラン」(3胴船)構造。水に接する面積が小さく、高速で航行できる。釜山と福岡を約3時間40分で結び、定員は約500人。【下原知広】

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