埼玉県久喜市で5日に起きた火災をめぐり、警察は6日、市内に住む61歳の男を放火の疑いで逮捕しました。今月に入り、久喜市を中心に半径約3.5キロ以内に9件、住宅などが相次いで全焼するといった不審火が確認されていて、警察が関連を調べています。

■周辺で9件の不審火 警戒中に

逮捕されたのは久喜市の大熊文男容疑者(61)。容疑者の兄が、取材に答えました。

大熊容疑者の兄
「(Q.(容疑者は)違う部屋で休んでいた)上(2階)。(Q.自宅で会話は)ほとんどない。(Q.顔を合わせるのは1日にどのくらい)1〜2回くらい。俺がここにいて(容疑者が)自転車で買い物に行ったりする時に」

大熊容疑者は無職だということです。

近所に住む人
「高校は出ていない。生まれた時から(ここに住んでいる)。(Q.母親は生きている)1カ月前に亡くなった。近所付き合いしていない。そんなに悪い子じゃないけど」
「よく棒を持って川のふちで夕涼みしていた。こんにちはと言っても全然返事をしない。自転車で通っても独り言を言いながら帰るとか行ったり来たり」

逮捕容疑となった放火現場は、自宅から自転車で5分程度の距離でした。住宅と乗用車、トラクターなどが燃えましたが、住民にけがはありませんでした。

近所に住む人
「音がすごかった。3回とも。1番最後ドーンって何か落ちたような感じだった。初めての経験。何十年生きていて火事って火事はなかった。ここのところ、警察官のパトロールがしょっちゅう」

埼玉県警の調べでは、大熊容疑者と住民の間に面識はなく、トラブルは把握していないということです。

今月1日から5日までの間に、現場周辺では半径約3.5キロの範囲で9件の不審火があり、捜査員が警戒にあたっていました。

■マッチ所持も「いつも持ち歩く」

5日午前0時ごろ、自宅を出た大熊容疑者は自転車で周囲を徘徊していました。不審に思った捜査員が職務質問をしたうえで任意同行しました。この時、大熊容疑者はマッチを所持していて「いつも持ち歩いている」と説明。しかし、タバコは吸わないということです。油の類は持っていませんでした。

近所に住む人
「(Q.いつも動く時は自転車なのか)ほとんど自転車でパッと行くのを見る。どっか行くんだ。買い物だなと思って」
「見る時間帯は午後が多かったかな。朝のうちは見なくて、午後夕方くらいによく見てた。仕事やってるような服装でもないし。例えば今の時期だと半袖短パンで。ちゃんと働いているというような感じはしなかった。ここの裏くらいで叫び声が聞こえるなぁと思ったら、大きな声とかたまに出してたり。(Q.叫び声というのは自転車に乗りながら)乗りながら。『わぁ』とか『あぁ』とか。言葉にはなっていないが、ストレス発散するような声。いつも自転車で行動してて、カゴとか荷台にはティッシュだったり洗剤だったり生活用品は積んでる」

県警は、防犯カメラ映像がきっかけで逮捕に至ったと説明しています。カメラには、火災があった時間に、大熊容疑者とみられる人物が映りこんでいたということです。警察は、自転車で移動して犯行に及んだとみています。取り調べに対し、大熊容疑者は「全く身に覚えがありません」と容疑を否認しているということです。県警は、他の不審火との関連を調べる方針です。

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