集会にオンラインで参加する駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・シアム大使=広島市中区で2024年8月6日午後8時19分、大西岳彦撮影

 広島原爆の日の6日夜、駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・シアム大使が、広島市中区の平和記念公園で市民有志が開いた集会にオンラインで参加した。シアム氏はイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻について「市民の避難所になっている学校が襲撃され、非戦闘員が死んでいる。日々、大量虐殺をしている」と非難した。

 集会は、ガザ侵攻への抗議活動を続ける市民グループ「広島パレスチナともしび連帯共同体」が主催。広島市は6日の平和記念式典にイスラエルを招いたが、日本政府が国家承認していないことを理由にパレスチナを招待しなかった。このため、市民有志が総代表部に参加を働きかけていた。

集会にオンラインで参加する駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・シアム大使=広島市中区で2024年8月6日午後8時19分、大西岳彦撮影

 この日、シアム氏は「私たちはイスラエルの息詰まるような抑圧によって長年傷つけられ、この苦しみは何十年にもわたる暴力的な支配の結果なのです」と強調。「今この時も、がれきの下で女性や子ども、お年寄りが生き延びようとしている。あなたたちの声がライフラインです。ともに立ち上がり、抑圧を終わらせよう」と呼びかけた。

 市民グループのメンバーで、広島市在住の作家、吉美駿一郎さん(53)は「大使は、僕たちが声を上げることが大事なんだと言ってくれた。時間はかかると思うが、平和なパレスチナに行けるよう行動を続けていきたい」と話した。【矢追健介、松原隼斗】

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